記憶を新鮮なままで

こっちでもりんごアイコンです。見たまま聞いたまま感じたままを咀嚼しきる前に留めておきたい。コメントくれるとめっちゃ喜びます。

風髑髏にハマりました。(ネタバレばかり)⑦

⑥の続きです。(ほぼ1ヶ月ぶりなのでスピード感が若干失われてますがご容赦ください!!)

百人斬り完了した途端残りの五人が捨之介(松山ケンイチ)と贋鉄斎(橋本じゅん)のもとに駆け寄ってくるんだけどじゃあこれから天魔王(松山ケンイチ)倒そうって言う前に捨之介が「おい蘭兵衛、蘭兵衛はどうした」って振り返るんですよね、寝返ったとはいえ捨てきれない仲間。「天魔王をかばって死んだ」って沙霧(岸井ゆきの)から聞かされて「てめえの選んだ道だ、今度は迷わず殿のところへ行けよう」と言う捨之介、元々の震え泣きのような喋り方がいっそう際立っていて天をかつて慕った同志として程度の差はあれど通じるものはあったんだな…と思う。蘭兵衛にとっては天のところへ行けるイコール極楽なわけで、捨之介のこの言葉に太夫田中麗奈)はちょっぴり救われたんじゃないかな…と思うね、地獄に落ちた愛する人を自分の手で極楽に送れたんだもんな…

それでですね斬鎧剣片手に天魔王のところに駆けていく捨之介なんですけどね、これほんっとうにかっこいいんですよ頭から爪先まで!!長髪垂らして真っ白の着流し姿で堂々とでも軽やかに立って太く薄いどっしりとした斬鎧剣を片手持ちしてるんだけどさ…これ大河平清盛ファンなら分かると思うんだけどここの捨之介めちゃくちゃ若清盛的なんですよね…初見のとき若清盛と重ね合わせちゃってほんと震えました、あのぶっとい刀を肩に担いでエネルギッシュに駆けてた松山清盛…気になる人は是非観てみてね…!!

(捨之介vs天魔王はね、最終対決だし良かったんですけどね、ワガママ言うと松山ケンイチの影武者(便宜上天魔王の中に入ってる役者さん)、もうちょっと松山ケンイチ感を出してよ!!って思ってました、でもこの場面は1つの山場として良かったですよう…「俺にあのときホンモノを着せなかったのがお前の弱さだ!」というのが後の「天魔王は中身が空っぽの仮面」に通じてくるんだよねぇ)

天魔王を倒してまた五人が駆けつけてきてくれるんだけど自分が敵を引きつけるからみんなは逃げろ、って言う捨之介に「嫌だ!捨之介も一緒だ!」って言って聞かない沙霧ほんとうに好き…初恋的な恋愛感情はそこにあったんだとは思うけどそう想像できる程度であるというだけで、なによりも人として捨之介が好きなんだ!という感じが髑髏城に合ってていいよねぇ…岸井ゆきのver.沙霧大好きですね、色っぽい蘭兵衛×太夫と対照的でバランスとして最高です。それを聞いた捨之介がドギマギするでもなく「この髑髏城みんなで生きて抜け出してぇ、また会うぜぇ〜?」ってニヤッとしながら構えるのもあ゛〜〜〜〜カッコいいなぁ………ってなりましたねぇ…

途端に徳川兵が雪崩れ込んできて戦いながら脱出して小川のほとりまで行くわけだけど、ここは本当に引き込まれて震えて身体が硬直して瞬きもできず感激して目がうるうるしてしまった場面なのでずーっと忘れらんないです。何度見てもここでぶわぁ!って鳥肌が立つ。雨がザーーッと降るんですよ、降りしきる雨の中で薄暗い中で七人が各々の方法で戦うんですけどここゲキ×シネで編集したからこそだと思うんだけどスローになっててさ…それで風髑髏のテーマが重々しく「ダーーンダダダダンダンダダダダーーン」って流れててさ…1人1人がクローズアップされてみんな必死の形相で戦ってて、黒い画面の上から灰色の岩のようなものが画面いっぱいに降りてきて、見上げたら七人の黒い影が降りてきて……岩の上でかっこよく決めて立ってる七人の無敵らしい影がドォン!!って表れるんですね…雨雲の下でね…しかもその瞬間に雷みたいな音がドォォォン!!!!って響き渡って七人がバババ!って照らされるんですよ………かっこよすぎて何か大変なものを見ているような多幸感でもうこのシーンの余韻が本当にすごい。

一気に静かになったと思えばピチャピチャ水の音が聞こえて、小川のほとりで捨之介が三つ葉葵の旗印の兵たちに取り囲まれてる画に変わるんですよね。この切り替えもすごい。天魔王が「地の男こそが天魔王」と噂を流して罠に引っかかってしまった捨之介だけどこの事実を聞いた捨之介、「斜に構えたこの俺の、ここが命の捨て〜所かぃ!」とここでも泣き笑いのようだしその目を細めてニコッと辛そうに笑うような表情のまま家康(生瀬勝久)に「この首渡せばもーう無駄な血流させねえ、そう約束できますかぃ?」と詰め寄る捨之介、自分の命よりもよっぽど大勢の命を救いたいからこその渾身の願いだし家康も家康で無界屋のこともおえまのこともあるから硬い顔で「約束しよう」と言ったんだろうな〜と思った。あれは家康にとっても本気の約束だったんだな〜と。生瀬さん好き…

大人しく縄にかけられる捨之介だけど「お待ちください!!」ってとりわけ大きな声で呼び止めて天魔王の仮面を手に現れた沙霧、「捨之介が天魔王でないことはお殿様だってよぉ〜〜〜〜くご存知のはず!なのになぜ、捨之介に縄をかけますか!!どうでも首が欲しいんなら、どうでも首が欲しいんなら!この仮面をお持ち帰りください!」と必死に必死に訴えててさ……捨之介を本っ当に死なせたくないんだなっていう意思の固さが伝わってくるし「もう誰かを犠牲にして生きるのは嫌なんだ!」っていう沙霧の強い声が蘇ってくるね。家康が「空っぽの、仮面か」「確かにこの仮面が天魔王なのかもしれんな」と言ったけど信長や蘭兵衛や捨之介や誰かの陰に隠れ誰かの笠を被ってコソコソしてなきゃ生きていけない、自分の意思を示せないような「空っぽ」でいつも「仮面」な人間こそが天魔王なのだ、として狸親父としては納得したのかもしれない。風髑髏は家康が深みのある人物に描かれててほんと好きなんですよ〜〜…!縄を解かれた捨之介を確認した沙霧の満面の笑みの「金、五百枚!!」もキラッキラしててかわいかったし後ろで見てた兵庫(山本圭哉)たちも「俺も聞いたぜ、どっかのお侍さまが確かにそう言ってたな」ってトボけるフリして五百枚!ってハモるの最高だしやーい家康してやったり!って気分になってほんとに気持ち良かったね〜、沙霧が「もう一つお願いが」って言った時には「なんじゃ」ってにこにこしてたのに金五百枚!ってなった途端「おぬしらぁ!」ってすごい形相になる家康も楽しいしすぐに優しくカラカラと笑って「半蔵」「構わん」と五百枚を七人に取らせる家康、器広い大好き〜!!ってなったしこの後の「二度とわしの前に顔を見せるでない!」も不愉快だからとかじゃなくて見つかったら次は命がどうなるか分からないからしっかり姿を隠せよ、という優しさでしかなくてさ…「髑髏城はわしがもらうぞ。ここを我らが居城とする。いずれ関東が京、大阪、そして日の本を飲み食らってやる。そうでもせねばここに眠る魔王の魂を封じることはできんだろう」のセリフ、魔王だけじゃなくて無界の皆の魂も救いたいから言えたセリフだったんだろうし家康の心にはおえまがずっと残り続けるんだろうな…という気がした。トーンを上げての「馬引けぃ!」もカラッとしててかっこよかった!

 

続く